第10回 山手線のマメ知識前編
ぐるぐる回っている山手線。終点が無いなんて思っている人、居ませんか?
そもそも山手線ってなんだろう?
その1、山手線の定義
山手線の定義は2種類ある。1つが旅客案内上の路線名、2つめが正式な名称。
旅客案内上の名称というのはつまり、湘南新宿ラインや埼京線と同じような、「走っている電車の区間や系統を表す」というもの。
詳しくは旅客案内上の名称と正式名称(第8回より)をご参照いただくとして、話を進めよう。
結果から記せば、旅客案内上の山手線は路線図にあの丸く書かれるあのままだ。つまりぐるっと一周してるあれだ。
正式な名称での山手線は「品川〜大崎〜渋谷〜新宿〜池袋〜田端」を山手線というのだ。
じゃあ他の区間の正式名称はどうなってるの?というところで用意したのが下表。
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旅客案内上の名称 |
正式名称(鉄道要覧) |
マルスでの扱い |
駅名 |
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大崎 |
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山 |
五反田 |
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上大崎(信) |
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手 |
目黒 |
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恵比寿 |
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山 |
線 |
渋谷 |
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原宿 |
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中央 |
代々木 |
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東線 |
新宿 |
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新大久保 |
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手 |
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戸山ヶ原(信) |
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高田馬場 |
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目白 |
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池袋 |
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大塚 |
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線 |
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巣鴨 |
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駒込 |
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田端 |
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東 |
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西日暮里 |
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北 |
日暮里 |
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鶯谷 |
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本 |
上野 |
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御徒町 |
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線 |
秋葉原 |
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神田 |
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東京 |
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東 |
有楽町 |
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海 |
新橋 |
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道 |
浜松町 |
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本 |
田町 |
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線 |
(新駅予定地) |
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品川 |
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山 |
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手 |
目黒川(信) |
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線 |
大崎 |
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並行する路線は案内・運行上の形態に関わらず、鉄道要覧や運賃計算上は同じ路線とみなしている。
指定席券売機や窓口で発見される緑色のきっぷに書いてある「経由」は「マルスでの扱い」に基づいて記載される。
鉄道要覧に掲載されている名称は線路の管理などに使用されているものと思われるが、必ずしもJR内部で使用されているものと同じとは限らないようだ。
特記すべきことは代々木〜新宿間の扱いが鉄道要覧、運賃計算上(マルス)で異なること。
大して大きな問題にはなりませんが、経由地の入力などでは異なった扱いを受けることになる。
鉄道要覧においては代々木〜新宿間の中央本線は分断され、山手線という扱いを受けている。
なんで表は大崎からなの?というところに気付いたあなた。
これは時刻表の上では大崎を起点としているので今回はそれにしたがって大崎を基準にした。
鉄道要覧上の山手線は品川〜田端間である。
また、表には既に廃止となっている信号場の名称も記載した。山手線への好奇心が湧いてくれれば幸いだ。
このほかに1916年までは大崎〜大井聯絡所(廃止時は大井町)を結ぶ軍用の支線も存在した。
そして山手線は東海道本線の支線であるということも付け加えておこう。
その2、山手線の仲間たち
山手線をよく調べてみると、品川〜田端間は複々線であるという記述が見つかるかもしれません。
「うそだ、そんなはずはない。山手線は複線だ」
いや、実は並行する埼京線や湘南新宿ライン、成田エクスプレスの走る線路も山手線の一部なのです。
ただし保線や信号の区分ではそれらをひとくくりに山手線と呼ぶことはできないので、名前がついています。
一般に案内上「山手線」とされる、黄緑の電車の走っている線路は「山手電車線」、並行する埼京線・湘南新宿ラインなどの線路を「山手貨物線」と呼んでいます。
信号設備には「山電上(山手電車線上り)」や「山貨上(山手貨物線上り)」といった記述が見られるはずです。探してみると楽しい。
なお、山手貨物線は駒込〜田端間で山手電車線からそれて、中里トンネルをくぐり、上中里駅方面へ抜けてしまう。
資料の上では田端が終点となっているが、実際の山手貨物線の運行は東北貨物線との接点である田端操までとなっている。
注)田端操とは駅の名前である。操車場が駅に格上げされてこの名前がある。読みは「たばたそう」。区分としては貨物駅。
その3、赤羽線は生き別れ
池袋から、板橋・十条・赤羽と続く路線、現在は案内上の名称が埼京線とされている区間であるが、この区間を鉄道要覧や運賃計算上は「赤羽線」と言う。
池袋駅構内には赤羽線の0キロポストがある。
この赤羽線、実は1885年から1972年まで、山手線の一部であった。ただし開業当初は日本鉄道品川線と称した。日本鉄道当時の区間は以下のとおりだ。
日本鉄道品川線 赤羽〜池袋〜新宿〜品川
日本鉄道豊島線 池袋〜巣鴨〜田端
のちに、上記2路線が山手線となり、1972年に当初の本線であった池袋〜赤羽間が赤羽線として分離して現在に至っている。
その4、山手線の運行形態
ぐるぐる回っているだけと思われがちな山手線であるが、実はきちんと時刻表が存在し、始発、終着が存在している。
単に回っているだけに見える電車も実際は大崎発大崎行きなのだ。
大崎、池袋、品川は終着する電車が存在し、大崎、池袋、田町は始発となる電車が存在する。
実際に1日に1本の電車がどのような行程を辿っているのか、みてみよう。
71G運用
(始発)
田町0438→大崎0445
大崎0446→大崎0547
大崎0548→大崎0646
大崎0647→大崎0749
大崎0750→大崎0851
大崎0852→大崎0953
大崎0954→大崎1055
大崎1056→大崎1155
大崎1156→大崎1255
大崎1256→大崎1355
大崎1356→大崎1455
大崎1456→大崎1555
大崎1556→大崎1656
大崎1657→大崎1758
大崎1759→大崎1900
大崎1901→大崎2003
大崎2004→大崎2106
大崎2107→大崎2209
大崎2210→大崎2312
大崎2313→大崎0014
大崎0015→品川0114(終着)
たまたま目に付いた71Gという運用をあげてみた。
なんと、こんなにもグルグル回っているのだ。もちろん、他の運用はもっと短かったり、もっと長かったり、始発・終着駅が異なることもある。
★山手線列車番号覚書
4ケタまたは3ケタ
1 4 7 1 G
上部二桁、14は始発駅時刻。8時とかならヒトケタで8。
ただし早朝の外回りの一部は重複を防ぐために時刻ー1を使ったりしていることもある。
この71G運用の朝、田町〜大崎が正にそうだ。田町発の時点で、471Gとすると、大崎の時点でも471Gとなり一周してきたときに田町〜大崎が同一番号で重複してしまう。
このため例外として71G運用の田町〜大崎間は371Gという列車番号が割り当てられている。
下2桁は運用番号。この部分は1日中かわらない。
1471Gが1周してくると大崎駅で1571Gとなって戻ってくる。
外回りなら奇数、内回りなら偶数。
付番には運用の始発駅によって規則性がある。
00〜49 大崎始発
50〜69 池袋始発
70〜79 田町始発
80〜99 普段は使わない。
だからたとえば、来た電車の番号が
1471G だとすれば
何週しているかはわからないが、14時に始発駅を出て、運用の開始は田町駅だったんだ、
と判る。運用開始駅と始発駅は必ずしも一定しない。
う・・うう、疲れてしまった。あとはそのうち公開する後編に託すとしよう。